敗者のゲーム(新版) なぜ資産運用に勝てないのか
市場とは・・・
米国では過去40年間で機関投資家の市場シェアが10%からなんと90%に増大しているという。
なかでも大手50社で全市場取引の50%を占めており、これらの現状を著者は市場=機関投資家と表現している。
資産運用に勝てない理由もここにあり、S&P500指数に勝てなかったファンドが97年は90%にも達し、
様々なデータからプロの投資家でも平均を超える収益を上げることの難しさを説く。
そんな市場で(プロ・アマ問わず)生き残るための答が『敗者のゲーム』である。
本書はあくまでも長期投資家向けではあるが、短期の方が読んでも得るものは少なくないと思う。
長期投資を考えている方にはお薦め
著者は資産運用では指導的な存在といわれ、この本は古典的名著と呼ばれているようだ。様々なデータをもとに、長期の資産形成について書かれている。
例えば数ある株式ファンドの多くは運用成績でS&P株価指数に負けているというデータが示されていて、特に1983年以降はその傾向が顕著で各年の割合を平均すると約3分の2の株式ファンドが負けている。こういうことがタイトル「敗者のゲーム」の意味である。著者の説明を聞くとその理由が納得できるであろう。ファンドを運用したり株を売買するためにはコストがかかる。平均すると当然、各種コストがない株価指数の方が有利になるということだ。
さらに各種債券投資に比べて株式投資の有利さも述べられている。この本を読んで考えてみると、資産運用では株式を長期保有して、運用手数料や売買手数料を極力抑えて、配当は再投資するのが良いということになる。長期投資を考えている方にはお薦めの一冊だと思う。
「なぜ資産運用に勝てないのか」ではなく、「なぜ資産運用が勝てないのか」が本当の書名かな?
内容はファイナンスを知る者にとっては至極真っ当である。しかし、「市場を出し抜ける」と考えている人やテクニカル分析実行者、あるいは無意識に「裁定」を狙っている投資初心者にはなかなか受け入れられない内容かも知れない。
気になった点がひとつ。それは書名の副題。この副題は、本書の内容と全く逆の意味だと思うのだけれど、これで良いのだろうか?
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